2017 IMAXでダンケルクを見た感想

2017年の感想が下書きに残ってたので。

海外で70mmフィルムのガチIMAXでダンケルクを観たのですけれど、私的にIMAXとか映画をどこに向けて作るかを含めてこの作品の立ち位置が興味深くなっちゃったのでそのあたりメモ。

まず初めて行ったIMAX70mmが凄い。
スクリーンがそびえ立つ壁。前方視界全部画面になる没入感。

本編の前にIMAX向けの予告編があったんですが(スターウォーズとジャスティスリーグ)
やはり画面によって必要なレイアウトやカメラワークは変わるなあと再認識。
というより70mmが通常スクリーンでない別物って感じですね。
ジャスティスリーグとか過剰なカメラワークに感じてちょっと見辛かった。
これは作り手側も「上映される大画面映画向きのレイアウト/カメラワーク」「TV向けのレイアウト/カメラワーク」を意識してない場合があるのでしかたない。
と思ったりするんですが、
ダンケルク本編は編集リズムもレイアウトも流石の安定感で、かつ通常の映画サイズを超えてIMAXの四角に近い大画面での上映を意識して作られてるのだときちんと感じられてよかった。

あ、あとゲームのCall of Duty WW2のトレイラー

も大画面で流れたんですが(70mmフィルムではなかったけど)
こちらは逆にスクリーンでかなりフォトリアルで映画のように見えて凄かった。
きっと投影と解像度不足による微妙な焦点の甘さとか微細なカラーフリンジとかが混じって映画風の味付けが足されたおかげかな。
もしかしたら映画館向けに更に設定変えてるのかもしれません。どうだろう。

上映に合う作品と合わない作品があるけれど、学生作品とかもスクリーン上映で化ける作品があったりして面白い。
もちろん、ちゃんとした映画監督はそんな効果もきちんと考えてるんですが。(アニメだと押井監督とか筆頭に)

さて本編上映。
映画としてはストーリーというより画面と音で体感するタイプなのでやはりIMAX視聴おすすめでした。
あんま詳しくないですが、第二次大戦空戦モノとしてなんかすごい域に達してる感じ。だってほんものだもの。(敵機の音、スカイクロラ思い出した。)
私的には冒頭の市街戦が好きなのであそこ1時間くらいやってほしかった。
あの精細な映像で市街戦をもっと見たい。海と空もいいけどIMAXで高精細な市街戦戦争映画やりましょうよノーラン将軍。
今度は末っ子のライアンとか墜落したブラックホーク救出しに行きましょうよ。

あ、あと大画面で気になった点が一つ。
糸くずとかホコリも大きく映る。救出に行く小舟のシーンとか。
これは劇場の問題だったかもしれないし、フィルムに写り込んでるのかもしれない。
予告ではあまり感じ無かったから、元々のフィルムかなあ。カット毎に変化して張り付いてたし元素材かな。
ノーラン監督だからグレインのようにこれもフィルムの味だとしてある程度残してそうだけど、
高精細な画面だとホコリ一つでも引きの飛行機サイズだから、ちょっと気が紛れる感はあったのが正直なところ。
アニメでナウシカが小ーさく映ってるシーンで、セルの上のゴミと勘違いして消してた、みたいな話を思い出します。
それが実写レベルでもホコリと引きの飛行機が分からなくなるんだからIMAX解像度というのは恐ろしや・・。

さてこの実写パワーでガチ殴り映画ですが、ガチ殴りすぎて逆に心配になってきた。
果たして今後映画館はどうなっていくんだろう、彼らは最後の巨人になってしまうのかな、といった不安。
アバター2のニュースが本当かどうかわからないけど裸眼立体視を開発して2020年に公開されるとするとまた様相が変わるだろうし、
ネット配信映画は映画祭出品拒否されたり現在以降初期の文化摩擦の真っ最中。いずれ主流として勝つのはネットなんだろうけど。

まあ数百年後ぐらいにはゴーグルつけるなり頭にケーブル刺すなりで仮想体験するのが主流で、
その間がどのあたりでどう移ろうのか、幸か不幸か移行期の真っただ中なので当然ながら引き続き注視したい所存であります。