はやくAIに仕事奪ってほしい派のスタンス 2021

AIが何度目かの流行になり、それはそれで素晴らしく
四方山話なら楽しいのですが、
CGの仕事で実際に寄ってくるとなると真面目に説明していくのに手間がかかり
個人的に一応ちゃんと言語化しておこうと思ったのでここらでひと記事。

基礎概念みたいなところなので、
真面目にきちんと技術を掘ってる方の参考にはなりません。
もしくは1ユーザーの所感としてお取りください。

結論として言いたいのは
「妙なAI案件とかポンコツ変換に騙されてないでちゃんと技術を積み重ねようよ」
です。
自分は文系の数学ド素人だけど、最低限のリテラシーは積んでおけば、
上手く使って建設的に技術を積み重ねられるはず・・という文です。

どこから書こう・・


●----機械学習
まず前提として、昨今のAIと呼ばれるものは主にディープラーニング(機械学習)の隆盛です。
機械学習のおおまかな概観についてはてきとうに調べてください。

もっと先の汎用AIについては機械学習じゃなく新しい世代じゃないと無理なんじゃないすかどうですか。
結局フレーム問題すっ飛ばして文脈の理解できないし。

この世代を早く通り越して1段汎用化が進んだAIに仕事を奪ってほしい。
私もAIとマルバツゲームで人類の存亡をかけた戦いがしたいです。(映画ウォー・ゲーム並感)


現状では機械学習とその組み合わせで何ができるか、
という所で考えた方が良いでしょう。
(まずここまでは共通認識にしたい。タイトルみたいな夢想はあくまで四方山話にしたい。)


--以下恨み節
・・ていうかAI以前に大多数はスクリプトレベルのツール開発がちゃんとできるかなー?
という段階だし、
ITには乗り遅れちゃったけどDXって言いなおしてあげるから、
もう一回チャレンジできるドン!コロナでリモートもつけておくのねん!
という所で大抵が留まってるのでAIの心配もクソもないと思います。
早くデジタル化しやがれください。
AIどうこうの話ですらない。
ちゃんと技術を積み上げられたし。
--以上恨み節


●----自分のスタンス
AIという言葉に対しては
「AIにもいろんなレベルがあって広い意味では家電の自動温度調節機能もAIだよね」
という、原作版攻殻機動隊にもある立ち位置です。
(あれも元々は新しい"ファジー機能"が家電AIとして隆盛した時期の文言だと思うのですが、今となってはローレベルでもAIだよ、っていう広範囲さを意味する形に主文脈が変化している感じがありますね)
なんというか、
その時代における便利な最先端自動判断機能がAIと呼ばれますね。

なので個人的には、真面目な話で「AI」って言ってるのはマーケティングだったり認識が曖昧な人だから気にしなくていいよ派です。
私的には便利な判別法として使っております。
四方山話ならべつに何でもいいんですが。SFだったら設定ちゃんと詰められてるし。


●----CGでの応用
上記で書いたように以前から(機械学習ではない)自動変換AIとして売られていたソフトもあり、
例えば画風の自動変換や自動生成ツール等は既に仕事でも使っているのですが、
逆に未成熟なAIソフトに釣られて一段質の落ちた作品も出てきており
そっちの方が「アイエーー」となる感じです。個人的には。
中世に戻っとるやんけ。
せっかくコントロールと知見が積み重なってきたところを。

結局きちんとした仕事として必要になるのは各部のコントロールなので、一発変換は一発芸にしかなりません。
AI以外の各種処理型ツールでも一緒ですね。
範囲指定やパラメーターでの強弱、補間の安定性、意味(重要度)の補助。
「細いアホ毛が消えたらキャラ変わってまうやんけー!」
的なやつです。
特にアニメとか髪型だけでキャラ判別するからね。仕方ないね。
「アホ毛is重要」とキャラデザインの文脈を自動認識させる事ができたなら、きっと一段AIの汎用性が進化するのでしょう。
現状ではそれは無理なのでレイヤーなりマスキングなり別オブジェクト機能なりで人間が認識補助する必要があります。
文脈ガン無視一発変換じゃどうしようもならんのです。

趣味で遊ぶぐらいなら手軽で良いのですが。



●----今後期待しているもの
自動変換や生成それ自体の質は上がってきている。
しかし機械学習の仕様上、
ラインと塗りの分けができなかったり、コントロールが不可能な物がほとんどなので
あくまで「とりあえず変換して上手くいったら使えるかも」という状態で
仕事用の道具としてはむしろ劣化している、という認識です。

そのため、上にも書いたようなコントロールがきちんとできる仕組みが必要。
機械学習をベースに、コントローラブルな何かがのってきたらちゃんと検証しよう、
それまでは個人的にはあんま時間使わんとこ、と思っています。
たとえばPhotoshopが変換フィルター積んできてるので、Photoshop本体のマスク機能やブラシ/レイヤーと連携してアルファ付きで部分適用できるような形とか、
nVidiaのブラシ指定型生成のようなものとか。


もしかしたら機械学習の上に機械学習を重ねて各要素をレイヤーに切り分けるような手法になるかもしれませんね。

画像の色を切り分けるSoft Color Segmentation技術と
Nukeのcopycatを使用して、実写の各色を切り分ける手法も出てきました。
Live action AOVs: Disney Soft Segmentation via CopyCat in Nuke
もちろん現状でもきちんと実用化している機能もあり素晴らしいです。 自分も今はAI系デノイズや多少のスケーリングは便利に使っています。 デノイズはディティール補間が独特でそれだけでもある種のスタイライズフィルターになるため、 ものによってはNPR表現と相性が良いですね。 逆にディティールを潰し過ぎる事もあるので、こちらも使い分けかなと。 方向性としては 意味の類推はさせず、あくまで高機能な統計補完として使用するのが相性いいかなぁ、 と思っておりまs。 (キャラクター学習させるよりもスパイダーバースみたいに線の補間に絞るとかの方が) ---- 雑な追記 2021年のこの頃はgoogleとかも 「AIの倫理問題など含め色々な物が解決されるまで、研究はするけどリリースはしません」 的なスタンスだったので、その後のまともな開発進行とリリースを期待していたのですが、 数年したらまぁ色んな面でなりふり構わずクソみたいな状況になりまして。 そんなもん真っ当に使えるわけないだろうが、大前提として権利関係きっちりしろや。 現状でAI画像使ってる輩なぞ転売屋以下のクズだろうが。 というスタンスになっております。