Redshift+Houdiniでのテクスチャオーバーライド設定

houdiniのRedshiftマテリアルでアトリビュートに合わせてテクスチャだけ切り替えたい時の設定方法。

http://opinputpath.blogspot.com/2018/02/redshift-material-override.html?m=1

主にこちらの記事を参照。

基本的には
1.マテリアルビルダーにtextpathのUIを追加
2.テクスチャノードに
chs("../textpath")
を追記。この値に対してオーバーライドをかける。

3.プリミティブアトリビュートを追加してテクスチャパスを指定する。
material_overrideに追記できれば方式はなんでもok
以下はwrangleの1例(マテリアルと同名のテクスチャファイルが大量にある場合)
s@material_override = sprintf("{'textpath':'%s/%s.png'}",tex_folder,s@shop_materialpath);

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仕事で一度Solaris+Karma試したけどもう1ターン(H21辺りまで)待った方が良さそうと判断して再度ROPに戻ってきた。
テクスチャバリエーションが必要になったのでメモ。

MakeCameraSpaceTrajectry

maxスクリプト久々に書いた・・。
カメラ視点からのオブジェクトの軌跡を作成するスクリプトです。

3D空間ではなくカメラ視点で動きを確認したい時に使います。
スプラインなので動きの編集は出来ません。

標準のmotion pathは3D座標の軌跡なので、
カメラワークがついた時に画面上でどう動いて見えるのか、分かりづらかったりします。
こちらはカメラに連動して、オブジェクトを画面から見た時の軌跡を作成します。

リグの部位などを指定して、
指先の動きとか顔の動きのアーク確認とかに使ってみてください。

9/25
実行時point3エラーが出るのを修正しやした

↓DL
MakeCameraSpaceTrajectry_0.21

はやくAIに仕事奪ってほしい派のスタンス 2021

AIが何度目かの流行になり、それはそれで素晴らしく
四方山話なら楽しいのですが、
CGの仕事で実際に寄ってくるとなると真面目に説明していくのに手間がかかり
個人的に一応ちゃんと言語化しておこうと思ったのでここらでひと記事。

基礎概念みたいなところなので、
真面目にきちんと技術を掘ってる方の参考にはなりません。
もしくは1ユーザーの所感としてお取りください。

結論として言いたいのは
「妙なAI案件とかポンコツ変換に騙されてないでちゃんと技術を積み重ねようよ」
です。
自分は文系の数学ド素人だけど、最低限のリテラシーは積んでおけば、
上手く使って建設的に技術を積み重ねられるはず・・という文です。

どこから書こう・・


●----機械学習
まず前提として、昨今のAIと呼ばれるものは主にディープラーニング(機械学習)の隆盛です。
機械学習のおおまかな概観についてはてきとうに調べてください。

もっと先の汎用AIについては機械学習じゃなく新しい世代じゃないと無理なんじゃないすかどうですか。
結局フレーム問題すっ飛ばして文脈の理解できないし。

この世代を早く通り越して1段汎用化が進んだAIに仕事を奪ってほしい。
私もAIとマルバツゲームで人類の存亡をかけた戦いがしたいです。(映画ウォー・ゲーム並感)


現状では機械学習とその組み合わせで何ができるか、
という所で考えた方が良いでしょう。
(まずここまでは共通認識にしたい。タイトルみたいな夢想はあくまで四方山話にしたい。)


--以下恨み節
・・ていうかAI以前に大多数はスクリプトレベルのツール開発がちゃんとできるかなー?
という段階だし、
ITには乗り遅れちゃったけどDXって言いなおしてあげるから、
もう一回チャレンジできるドン!コロナでリモートもつけておくのねん!
という所で大抵が留まってるのでAIの心配もクソもないと思います。
早くデジタル化しやがれください。
AIどうこうの話ですらない。
ちゃんと技術を積み上げられたし。
--以上恨み節


●----自分のスタンス
AIという言葉に対しては
「AIにもいろんなレベルがあって広い意味では家電の自動温度調節機能もAIだよね」
という、原作版攻殻機動隊にもある立ち位置です。
(あれも元々は新しい"ファジー機能"が家電AIとして隆盛した時期の文言だと思うのですが、今となってはローレベルでもAIだよ、っていう広範囲さを意味する形に主文脈が変化している感じがありますね)
なんというか、
その時代における便利な最先端自動判断機能がAIと呼ばれますね。

なので個人的には、真面目な話で「AI」って言ってるのはマーケティングだったり認識が曖昧な人だから気にしなくていいよ派です。
私的には便利な判別法として使っております。
四方山話ならべつに何でもいいんですが。SFだったら設定ちゃんと詰められてるし。


●----CGでの応用
上記で書いたように以前から(機械学習ではない)自動変換AIとして売られていたソフトもあり、
例えば画風の自動変換や自動生成ツール等は既に仕事でも使っているのですが、
逆に未成熟なAIソフトに釣られて一段質の落ちた作品も出てきており
そっちの方が「アイエーー」となる感じです。個人的には。
中世に戻っとるやんけ。
せっかくコントロールと知見が積み重なってきたところを。

結局きちんとした仕事として必要になるのは各部のコントロールなので、一発変換は一発芸にしかなりません。
AI以外の各種処理型ツールでも一緒ですね。
範囲指定やパラメーターでの強弱、補間の安定性、意味(重要度)の補助。
「細いアホ毛が消えたらキャラ変わってまうやんけー!」
的なやつです。
特にアニメとか髪型だけでキャラ判別するからね。仕方ないね。
「アホ毛is重要」とキャラデザインの文脈を自動認識させる事ができたなら、きっと一段AIの汎用性が進化するのでしょう。
現状ではそれは無理なのでレイヤーなりマスキングなり別オブジェクト機能なりで人間が認識補助する必要があります。
文脈ガン無視一発変換じゃどうしようもならんのです。

趣味で遊ぶぐらいなら手軽で良いのですが。



●----今後期待しているもの
自動変換や生成それ自体の質は上がってきている。
しかし機械学習の仕様上、
ラインと塗りの分けができなかったり、コントロールが不可能な物がほとんどなので
あくまで「とりあえず変換して上手くいったら使えるかも」という状態で
仕事用の道具としてはむしろ劣化している、という認識です。

そのため、上にも書いたようなコントロールがきちんとできる仕組みが必要。
機械学習をベースに、コントローラブルな何かがのってきたらちゃんと検証しよう、
それまでは個人的にはあんま時間使わんとこ、と思っています。
たとえばPhotoshopが変換フィルター積んできてるので、Photoshop本体のマスク機能やブラシ/レイヤーと連携してアルファ付きで部分適用できるような形とか、
nVidiaのブラシ指定型生成のようなものとか。


もしかしたら機械学習の上に機械学習を重ねて各要素をレイヤーに切り分けるような手法になるかもしれませんね。

画像の色を切り分けるSoft Color Segmentation技術と
Nukeのcopycatを使用して、実写の各色を切り分ける手法も出てきました。
Live action AOVs: Disney Soft Segmentation via CopyCat in Nuke
もちろん現状でもきちんと実用化している機能もあり素晴らしいです。 自分も今はAI系デノイズや多少のスケーリングは便利に使っています。 デノイズはディティール補間が独特でそれだけでもある種のスタイライズフィルターになるため、 ものによってはNPR表現と相性が良いですね。 逆にディティールを潰し過ぎる事もあるので、こちらも使い分けかなと。 方向性としては 意味の類推はさせず、あくまで高機能な統計補完として使用するのが相性いいかなぁ、 と思っておりまs。 (キャラクター学習させるよりもスパイダーバースみたいに線の補間に絞るとかの方が) ---- 雑な追記 2021年のこの頃はgoogleとかも 「AIの倫理問題など含め色々な物が解決されるまで、研究はするけどリリースはしません」 的なスタンスだったので、その後のまともな開発進行とリリースを期待していたのですが、 数年したらまぁ色んな面でなりふり構わずクソみたいな状況になりまして。 そんなもん真っ当に使えるわけないだろうが、大前提として権利関係きっちりしろや。 現状でAI画像使ってる輩なぞ転売屋以下のクズだろうが。 というスタンスになっております。

DUNEとストーリーの圧縮構造

DUNE、砂の惑星みた。2021年版。

ちなみに原作もリンチ版も未視聴で、ホドロフスキーのデューンだけ見てる(今回気付いたんですがあれってDUNE本編の内容にほとんど触れてないんですね・・)
という偏った知識です。

まず映像めちゃくちゃよかった。
映画館で見て。

・・・。
すみません映像面の凄さは「映画館で見るために作りこまれた映画館で体感するべきクオリティ」のアレなんで仔細には書くつもりが無いため概観だけ・・

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ライティング/構図。特に今の世代だからこそ表現が熟成され可能になった、CGの煙を存分に使い煙やフォグを前提にした構図、絵作りや演出の多用。
多弾頭ミサイル、バリア、ビーム、オーニソプター、戦艦破壊など、
アニメ等にもよく観られる古典的表現を現在先端技術でゴリゴリのクオリティで描画。
単なる一本の「市街地ビーム攻撃」だけでも表現が一段引き上げられちゃって
CG屋としてどうしましょう(歓喜
という感じです。これが新しいスタンダードかぁ、とおもた。
(VFXを担当したDNEG社の表示にエンドロールでわざわざ1画面分空けてあるところに貢献度と監督がいかに重要視してるかがみてとれます)
色んなものをひっくるめて"世界観"としてド正面から素晴らしく描き切っていて、
人によってはこれが初代のスターウォーズやブレードランナーでぶっ飛ばされたような、
映画世界の原体験になりうる。
そんな作品だと思いました。

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ほんで、今回かいておきたかったのは感想ググってたらあんまり見られなかったストーリー面について。
パート1で大筋はけっこう王道なんですが、特にラストの決闘の意味とひねりについて。
原作の凄さもあるのですが、構造的に監督の以前の作品「メッセージ」の一歩先を行っているのです。

まず、主人公には予知能力があり、
中盤で砂嵐に巻き込まれた際には、予知した「未来の友人」との会話を参考に、風の流れに乗ることで危機を脱します。
この「未来でしか知らない情報で現在を書き換える」というのは、「メッセージ」でもあった一種のループ構造ですね。



で、この予知は劇中何度か丁寧に出てきまして、
「これは第二部につながるんだなぁ。けど、かなり丁寧に描いていてこのまま2部で再度つながっても、冗長になってしまわない?」と思ったのですが・・

なんと最後の決闘で対決するのは、このアドバイスをしてくれたはずの「未来の友人」なわけです。
命を救った「流れに乗れ」という場面も、ピッケル的な道具を持っていた所からしてサンドワームの乗り方を教わる場面だったのでしょう。
そこまで親密になって、砂漠での生き方を教わるであろう友人。
それを殺してしまう。

ポールがあの表情を浮かべていたのも、いずれ友人になれたであろう者への哀悼なわけですね。
(この流れを読み取らないと、ただの小物っぽい中ボスを倒しただけに見える)

ここで、今まで描写していた予知がすべて意味を変えます。
まず友人との関係は消滅。命を救ったはずの会話をする未来も今はない。(ここが私的に一歩進んだと思ったポイント。役立てたはずの未来すら消してしまう)
他の様々な描写も「ほぼ確定的だった未来」から、「未確定の未来の一つ」になる。
なんとなく想像していた「第二部はこうなるのかなぁ」という想像はすべてミスリードでリセット。
どの予知が正しいのか、全て曖昧になる。
恐れていた聖戦も、避けられないものではなく、ありうる一つの未来になった。
言ってみれば、ターミネーター2で未来が不確定になった後。暗闇の高速道路エンドなんですね。
聖戦はポールにとって恐るべき終末戦争なのでしょう。

この多重構造を1本で成立させる凄さ。メッセージを経たからこそ、とも思えます。
ありえたであろう2部の友人や垣間見る聖戦の辺り含めて、言ってみれば1.5本分ぐらいのストーリーが圧縮された構造になってる。
乱暴に言うと、この1作だけでも成立できる。
シンプルに見せつつ凄く高度。

未だに次作が確定していない(ほぼ作られそうな雰囲気だけどスタジオのゴーサインはまだ出ていない)ので、
監督としても「最悪次作が作れず、これ1作だけになった場合でも、最低限1本で成立できるつくりにする」という形にしたのかなと。
いやーすごいわーー。

私的にビジュアル面でもストーリーでもすごい作品でした。
キャラ、ストーリー、世界観という3本柱があるんですが、
世界観にガン振りしたように見せつつ他もめっちゃレベル高い。(男爵の地獄の黙示録感とか細かいとこ挙げてくときりがない)

ぜひ、劇場で。